年金は本当に減るの?

世の中では「年金は減る」とか「2,000万円足りなくなる」とか言われています。ただ、実際のところは、減るかどうかは「分からない」です。

しかしながら、子供が減って高齢者が増える中で、現役の働く世代ががその時の高齢者を支えるという年金は、かなり高い確率で「年金は減る」と言えるでしょう。

そして、すでに、以前から比べるとかなり手取り額が減ってきている現実もあるのです。

どのくらい減ってきたの?

厚生労働省が公表した「公的年金財政状況報告-平成27年度-」には平均月額受給額を年齢層別でまとめたられています。この資料によると、85~89歳の男性と65~69歳の男性の平均受給額にはおよそ4月額で万円のひらきがあることが分かります。

これは、年金制度の変更により計算式が変わったことなどによるところが大きい。つまり、現在の年金試算シミュレーションも、今後その計算式が変わる可能性あれば、想定外に減ってしまうことがあるということです。

※今回は、以前の制度で年金の加入期間が短い年齢が偏る女性や、年金制度の確立する前から成人となっていた90歳以上、また、満額受給ではない60歳~64歳は、今後は減っていくと考えられるため、除いた数字で検証。 出典:公的年金財政状況報告-平成27年度- 第2章 財政状況(PDF)
旧厚生年金の老齢相当の受給権者の
年齢階級別平均年金月額
平成27(2015)年度末
グラフ化

どのくらい減るの?

もちろん、これからどのようにルール変更があるかも不明ですが、もし、これまでのように減少していくとすると仮定してざっくり検討をしてみます。

先ほどの資料の情報をもとに、では、何パーセントくらい減っているかというと、-19.5%。これが65歳~89歳の24年間で均等に減ってきたと仮定した場合、おおよそ毎年-0.8%程度が減少すると想定できます。

ざっくり減少の予想式

つまり、今後をシミレーションするときに、現在の式で受給額を計算して、そこに、「もらえるまでの年数」と「ー0.8%」をかけると、減少分のざっくりな予想計算が可能です。現在の式の受給額から「減少分」を引くことで、減少の予想受給額も計算ができます。本サイトの「減少の予想式」ではこの数式で計算した場合の予想となっています。

本当にそんなに減るの?

実際はどのくらい減るか、分かりません。現在でも、色々な想定が検討、検証がされていますが、想定通りに行っていないこともあります。

例えば、これまでの例を確認してみましょう。

まず、指標の一つとして、所得代替率という言葉があります。これは、その時に現役で働いている世代の収入に対して年金がどのくらいかということを示す数字です。つまり、現役男性の平均月収が30万円で、所得代替率が50%だった場合、年金額は15万円となります。

そして、現在、徐々にその所得代替率が付が引き下げられる可能なマクロ経済スライドを導入しています。厚生労働省は財政検証で所得代替率は徐々に下がり、2019年頃では51%程度に下がっていくと予想していたこともあったようです。

しかし、実際は2019年では61.7%と高水準を保っています。つまり、予想は非常に難しいことを示しています。そして、今後の予測としては、所得代替率は50%程度で安定する想定から、36%程度まで下がる予測まであります。

どちらにしても、少子化の中で年金を破綻させないために、受給額が下がっていくことは自然な流れと思われます。

「ねんきん定期便」に書いてある金額がもらえるんじゃないの?

実は、年金は受給額から税金と保険料などが引かれます。国民健康保険、介護保険料、所得税、住民税などがそれにあたります。大体10%~20%程度が天引きされて振り込まれることになります。つまり、年金定期便に月々20万が記載されていたとしても、およそ2万円が引かれて18万円しか振り込まれないのです。

しかも、これ、昔からではなく、介護保険導入や税金の優遇処置の縮小などにより徐々に増えてきた金額なのです。つまり、今後の制度改正でどのくらい減るかは見当もつかない状態です。

そして、難しいのが、この税金や保険料は各地域で計算式が異なることもあり、試算するのが大変です。本サイトでは、ざっくりこちらも計算していますので、なんとなく予想の参考にしていただければと思っています。

年金の受給額が減っていることを隠したいの?

2,000万円足りないことを正式な報告書としては受け取らない。という、足りなくなることは分かっているけど、認めないような動きに見えます。確かに、国民が「年金があまり貰えないなら払わない」となったら、今の高齢者を支える年金は圧倒的に足りなくなってしまいます。

ただ、だからってすべてを隠している訳ではなく、色々な資料を見ると減っていきそうな感じは分かります。(年金受給額の減少を分かりやすく確認できる資料は少ないですが・・・)

隠してたいということではなく、出来るだけ国民に衝撃を与えないようにした結果、分かりにくくなっているということかもしれません。

年金は払わない方がお得?

現状では、多くの場合、年金は払った方がお得です。

なぜなら、月々16,300円の国民年金を払い続けた場合、65歳を超えてからもらえる金額は税金などを引いたとして、月5万円程度が予想されます。そうすると、13年程度で元が取れるんです。つまり、78歳くらいからは儲かるだけ。

今の78歳。元気な方が多いです。そして、これから寿命が短くなるとは思いにくいですし、多くの方がお得になる可能性が高いです。

まとめ

今の時代、年金だけで優雅な老後にはならない可能性が高くなってきています。でも、実際の数字が見えにくい状況です。そして、すぐに年金がなくなるわけではありません。

現在の年齢によって年金に対する期待度が違うとは思いますが、年金も視野に入れつつ、ただ、それだけに頼るのではなく、老後の生活ができるように今できることから考えていければと思っています。貯金をする、副業で収入を増やす、投資を勉強してみるなど、少しでも心構えを持っていきましょう。何かをするリスクもあるかもしれませんが、年金だけを頼るのもリスクです。何があっても驚かないように準備をして行きたいですね。
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